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メカニック研究・目次
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メカニックのことは、もちろん、技術のある人が書いてこそ信憑性があるわけで、私などが「蚊帳吊りウサギの練習メニュー」を紹介したところで、説得力に欠けることは議論の余地がありません。しかし、世界のトップギタリストあるいは、第一線の教育家の説くメカニックの原理を文献から抽出紹介する、ということであれば話は別でしょう。というわけで、これから私がここにまとめてみようと思っているのは、多数の出版物、教則本、技巧教本、ビデオ、雑誌記事、マスタークラス、などから多くのギタリストが共通して指摘していると思われる点を抽出し、それぞれに対応する練習パターンを付したものです。情報の元になる文献は膨大なものですから、(例えば、現代ギターのバックナンバーを全部読むことを考えていただきたい)当然、網羅的な文献収集は不可能ですし、共通点の抽出は私の主観で行われています。ですから、ここには必然的に私の偏見が混入してきます。出来るだけの客観性を確保するために文献リストも作成するつもりですので、興味のある方は原典にあたっていただきたいと思います。 ギターの演奏に要求される運動はとても複雑なものです。一般の技巧教本ではこの多数ある複雑な技術を個別に捕らえている例が多いようです。例えば、有名な京本輔矩の「クラシックギターの技巧法」[4]には32項目の技術要素が解説されています。半音階、全音階、三度、六度、八度、十度、アルペジ
オ、和音、拡張、セーハ、スラー、モルデント、トレモロ、アルモニコス、ピチカート、等々。私はもちろんこういう各論的なアプローチを否定するものではありませんし、むしろ必須だと思っています。実際のところ京本教本には
大変お世話になりました。しかし、最近の技巧教本の傾向というのは、こういう各論的アプローチを尊重しつつも、それらの背後にある運動の原理というものにまでさかのぼってギター演奏のメカニズムを掘り下げてゆこう、としているように思えます。つまり、スケール、スラーといった個別の技術を効率的に身に付けるために、演奏者がもっていなければならない基礎的な運動能力から考えてゆこうということです。カルレバーロの著作[19]やプジョールの教本にはすでにそういう傾向が見られますが、あまりにも大部なもので、通して勉強した人はほとんどいない、という状況を作り出しているように思えます。私の師であるジェラルド・ガルシアもプジョール教本の勉強は道半ばで頓挫した[8]と言っていました。それに、比べると最近のスコット・テナントの「パンピング・ナイロン」[1]は実に単純明快、アメリカ的にストレートに本質に迫っている名著だと思います。また、教本に準拠したビデオ・DVDはかなり笑える作品に仕上がっていてお薦めです。さて、前置きがかなり長くなってきましたので、そろそろ本題に入りましょう。ここでは思い切ってギターのメカニックの本質を、メンタルな面について一つ、左手について二つ、右手について三つの計六つにまとめてしまいます。非常に乱暴なようですが、スポーツにたとえて言えば、これは各個別の技術の練習に入る前の基礎体力作りと考えられると思います。 文献 1.
Scott Tennant,
Pumping Nylon (book and DVD), Alfred Publishing, www.alfred.com
2.
William Kanengiser,
Classical Guitar Mastery (video VGK186),
Hot Licks Productions 3.
William Kanengiser,
Effortless Classical Guitar (video VGK130),
Hot Licks Productions 4.
京本輔矩、クラシックギターの技巧法、国際楽譜出版社 5. Gordon Crosskey,
Aspects of Technique, EGTA Guitar Journal, 28-29, (1997) 6.
Gordon Crosskey,
Aspects of Technique: Exercises, ibid, 29, (1997) 7. Barry Green, The Inner Game of Music,
Pan Books (1986) 8. Gerald Garcia, private communication 9. Keith L. Moore and Arthur F. Dalley, Clinically Oriented Anatomy 4th ed., Lippincott Williams & Wilkins (1999) 10. 坂井建雄、入門ビジュアルサイエンス 人体のしくみ、日本実業出版社(1994) 11.
江間常夫、福田進一、特集:スケール・テクニックを極める(江間常夫vs福田進一)、現代ギター、24−26、8月号(1993) 12. Grahan
Wade
and Štĕpán
Rak, A Conversation with Štĕpán
Rak,
EGTA Journal, No.3, 5-9 (1992) 13. Ralph Towner, Improvisation and Performance Techniques for Classical and Acoustic Guitar, 21st Century Music Production, Inc. 15. Emilio Pujol、ギターの奏法と原理 第1−3巻、音楽の友社 (1970) 16. Carola Grindea ed., Tensions in the
Performance of Music, Khan & Averill, London 17. Hector Quine, Guitar Technique –
Intermediate to Advanced, Oxford University Press (1990) 18. Lee F. Ryan, The Natural Classical
Guitar – The principles of Effortless Playing, The Bold
Strummer, Ltd. (1984) 19. Abel Carlevaro(高田元太郎 訳), ギター演奏法の原理 新時代のための合理的なアプローチ、現代ギター社(1999) 20. Sharon Isbin, Classical Guitar Answer Book, String Letter Publishing (1994) 21. Madeline Bruser, The Art of Practicing - A Guide to Making Music from The Heart, Bell Tower (1997) 22. John W. Duarte and Luis Zea, The Guitarist's Hands, Universal Edition (Australia) Pty. Ltd. (1978) 23. Eduardo Fernández, Technique・Mechanism・Learning - An Investigation into Becoming a Guitarist, Mel Bay Publications 24.バーバラ・コナブル、音楽家なら誰でも知っておきたい「からだ」のこと − アレクサンダー・テクニックとボディ・マッピング、誠信書房
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